先にご紹介した、30年ほど前から知っていたある会社でのお話です。
その会社ではあるお客様のLANネットワーク設計をB社に委託していました。
ある日の打ち合わせの後、B社の社員が打ち合わせで配付されたグローバル・iPアドレスが記載された一覧表を帰社途中で紛失したらしいのです。
B社の社員の方は帰社後に事故報告を済ませた直後、社長から「懲戒解雇」されたらしく、委託元の担当役員のもとにB者の社長自ら電話してこられ、お詫びの言葉とともに懲戒解雇した旨を説明された、とのことでした。
その担当役員の方とその事故についてお話させていただいた際、意外にも困った顔をしておられたのが印象的でした。
理由をお聞きすると「なぜ、そのような事故が発生したのか?自社の社員に何も責任がなかったのか?B社の当事者に直接確認することができなくなった。根本原因の分析とその内容に基づいた再発防止策の検討ができなくて困っている。」とのこと。
しばらくしてB社との業務委託契約は「破棄」したそうです。
後日、なぜ業務委託契約を破棄されたのか理由を伺う機会を得ました。
なんと、B社は一覧表紛失事故の後にも複数の事故を起こしたそうで、その度に当事者を即日「懲戒解雇」していたそうです。
委託した側の視点で考えれば、事故の根本原因解明に「非協力的な」B社と判断せざるを得なかった、との説明に、あらためて「委託先の監督」の難しさを考えさせられました。
さて、皆様にはこのような状況は報告されていますか?
報告された場合、皆様はどのような判断を下されますか?